

今日は少し視点を変えて、「国家の借金」についての話をしようと思います。
このテーマ、一見すると国家規模の話に見えるかもしれませんが、実は中小企業経営者や個人事業主にとっても、深く関係する話です。
むしろ、借金に悩む方々こそ、この視点を知っておくべきだと思っています。
■ 借金=悪ではない。国家も企業も同じです。
世の中では「借金は必ず返すもの」「借金をすること自体が悪い」といった考え方が根強くあります。
確かに、返済の約束を守ることは大切です。信頼の土台です。
しかし、国家財政においてはどうでしょうか?
現在、日本の政府債務はGDP比で見れば世界最悪とも言われています。
でもこの「借金」のほとんどは、海外からのものではなく、国内、つまり日本人自身が日本政府に貸しているものです。
そしてこの借金によって、雇用が守られ、教育や医療が維持され、災害時の支援やインフラ整備が行われているのです。
つまり、「借金をすること=将来を良くするための投資」であり、むしろ豊かで安心できる社会のためには必要不可欠なものなのです。
■ 財政規律の名のもとに、国民生活が削られている
近年、「財政健全化」という言葉のもと、公共事業や福祉、教育への支出が削減されています。
結果として、地方経済は疲弊し、医療や保育の現場は人手不足、若者は奨学金という名の借金を背負って社会に出ています。
これは本当に「正しい借金の扱い方」でしょうか?
「借金を返すこと」が目的になりすぎて、「何のためにその借金があったのか」「何を守るべきだったのか」が忘れられているように思えてなりません。
国家の借金とは、国民の生活や将来を守るためのもの。
それを忘れたとき、国家は単なる会計管理機関になってしまいます。
■ 借金を超えて「全体の幸福」を目指すために、国家はある
私たちは「倒産ホームランプロジェクト」として、経営者や個人が借金に苦しみ、精神的にも社会的にも追い詰められる姿を数多く見てきました。
その中で強く感じたのは、
「借金を返せない」ことで、自分の人生を否定しないでほしい。
ということです。
借金を背負っても、そこから立ち上がるために環境を整えること。
未来を諦めないために、一時的に法的整理を選ぶこと。
それらは、決して「失敗」ではなく、「生きるための選択」です。
国家であれ、企業であれ、人であれ、借金という「建前」だけを守るのではなく、そこから先の「幸福」や「再生」に目を向けていくべきではないか――。
倒産ホームランプロジェクトは、そう考えています。
■ さいごに:建前ではなく、現実に寄り添う社会へ
借金をしたら返す。
その建前は重要です。社会のルールです。
でも、現実には「返せなくなること」もあります。
そしてそのときに、「返せないから終わり」ではなく、「返せなくても生きていける社会」にしていくのが、国家や制度、支援の役割ではないでしょうか。
倒産ホームランプロジェクトは、
建前の中で苦しむすべての方に、もう一度「現実的な再出発の道」を提示していくことを使命としています。
「借金を返せない=人生終了」ではありません。
そこから、再び始めましょう。
倒産ホームランプロジェクトは、その一歩を全力で支援します。